私は 雨の日も台風で傘が折れる日も
母の緊急病棟個室へ祈る気持ちで
沢山のお見舞いやメッセージカード
新しい下着やタオル を 抱えて
皆勤賞物で
面会終了時間ギリギリまで
介護士さんらに交わり ある意味より丁寧に
母を介護し 心身を見舞った…
今日はカンファレンスの日だ!
母は私が こんにちわ
今日は体調は大丈夫? 苦しくない?
と尋ねると
明るく笑顔で 大丈夫よ
もう大丈夫だから 先生に退院させて下さいと
告げてくれないかしら?
本当に大丈夫よ。
毎日有難うね
と言って 私が大変だから 退院と
思いやってくれて居る気持ちを察した私。
うん
そうね 今日は先生達とお話し合いなのよ、
母上の気持ちを しっかり伝えながら 私が
きちんと話し合いして来るので安心してね!
退院 嬉しい響きだ!!
母の尿袋が外されている!
わぁ 本当に一つ一つ母は克服
回復してくれて居る
嬉しくて 愛しくて 今日も前進!していると
母に本当に 本当に立派よ
よく頑張り 素晴らしい!
流石に 世界一愛する私の宝物よ
と 母を抱きしめて抱きしめて
離れたくなかった。
救急車で運ばれた日の光景が
脳裏に浮かび 余命宣告すら
されている 母よ
本当に素晴らしい!
立派に生きてきて 沢山の徳を積み上げ
人助けまでして来て
本当に神仏に守られている 確信した。
又我が家で 訪問医療介護で
母との時間が持てるのだ
母の姿を見て
嬉し泣きだ……
今日は私が膠原病とヘルニアの痛みで
コルセットや癌の疼痛薬
リリカ トラマールを
マックス6錠ずつ服用してマイ松葉杖
でも毎日の母の有難き頑張りを
思うと 自分の辛さは遥か彼方へ遠ざかる
私には母の存在と笑顔が 史上最強のお薬である。
そう!母娘して お互いに そうだ!
有難い スマホカバーのボケットには
人間国宝と 二人で作品創作に出むく
故父の写真を入れてある
カバーを開けて見たら
父の満面の笑みと 大丈夫だよ…と
語り掛けて呉れる。
今日は ほら見て!と 母に 父の写真を
見せた。
あら パパの写真を持ち歩いて居るの?
まぁ懐かしい 此方は 鹿児島寿蔵さんね。
よく こんな写真みつけたわね? と
懐かしい仕事の話も15分位
笑顔で話せて 母の幸せそうな 笑顔と
熱心に
写真に見入る姿に
私は体内の血が騒ぎ 脳内モルヒネが
フツフツ湧き上がる勢いをドクドク
感じて居る。
母の体内にも同じ事が起きているはず!
頬が淡くピンク色に成り まるで
乙女の様だ。
幸せの形はイロイロ有るけれど 最高の至福である。
私は介護士さんに カンファレンスはまだですか?
母の傍に居て大丈夫かしら?と
ナースステーションに声を掛けた。
はい お声がけしますね
お待ち下さいねと明るい返事。
母にプリン ヨーグルトを 食べれるかしら?
とオーバーテーブルに
箱から出した途端に
医師3人 介護士二人 ソシャールワーカが
こんにちわ、お待たせしました。
アチラへどうぞと 部屋に入って来た。
ブリンを食べさせたいので
何方か 介護士さん 母をお願いします!
と頼み
私は元気に明るく 先生達と
お話ししてくるわ!
直ぐに 極力早く戻るから
ユックリ安心して食べて居て頂戴ねと
母の手を握り 背中を撫ぜた。
直ぐに?待ってるからね
母は今まで楽しく談笑して居た私が いきなり
沢山の白衣を着用している医師達と
部屋を出てゆく姿に
動揺を見せたが
私は必ず 良い方向への話し合いだと
胸を張った。
部屋は随分 遠いい
介護士さんの1人が歩けますか?と
私に気遣いをみせて呉れた。
ええ 母の為なら 大丈夫ですよ!
笑顔で 今日は良い天気ですね
と答えた。
そろそろです
遠くて すみません
介護士さんが私の心身をホローしてくれた。
コツコツ コツコツ
足音が大きく院内に響いている。
いざ!出陣
私は案内された広い部屋に入り 大きな電子カルテが
まず目に飛び込んで来た。
そしてレントゲン写真
ファイト!母上
ファイト!私
父の写真を再び見ながら祈る。
失礼致します。
松葉杖をデスクに掛けながら
本日はお忙しい中
お時間を割いて下さり有難うございます。
宜しくお願い致します。
と一礼してから 椅子に座った。
母上 待っててね!
必ず良い知らせが
出来るからね。
母の笑顔を彷彿しながら
心の中で約束をして 私はノートを開いた。